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進路指導の課題と実践
(2/30) 1・専門学校への進路指導の現状

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ボタン01 専門学校への進路指導の現状

 1976年に専修学校制度が創設されてから45年が経過しました。その間、専修学校は、社会の要請に応え、実践的な技能や知識を育成する職業教育機関として発展してきました。とくに専門学校は、1988(昭和63)年以降は短期大学を上回る学生数となり、わが国の高等教育機関の重要な一翼を担うまでになっています。

 しかし、高校現場では、専門学校への進路指導は、大学進学指導と就職指導との狭間におかれ、必ずしも積極的な取り組みは行われてきませんでした。高校の評価が大学進学率によって行われ、大学・短大を上位に、専門学校を下位にみる序列意識が教員の中にも根強く存在してきたこと、かつての専門学校の誇大広告や広告情報誌が大量に送られてきたことに対して根強い不信感や嫌悪感を抱いている教員が少なくないこと、また、専門学校は玉石混淆といわれるように学校間の格差が大きく、しかも個々の学校の実態がよく分からないこと、などさまざまな要因が重なって、大学進学指導を優先させる進路指導が行われ、専門学校進学に対しては消極的な指導にとどまっていたといえます。やや古い資料になりますが、文部省(現・文部科学省)が実施した『平成9年度専修学校に関する実態調査』(2000年)には出身校の進路指導に関する項目があり、それによれば、専門課程の場合、「指導を受けた」と回答した割合は40.8%で、その内容としては、多い順に「個人面談等で、担任教師から説明を受けた」(50.0%)、「進学ガイダンスで専修学校の学校概要や生徒募集に関する資料を用いての説明を受けた」(45.8%)、「専修学校への体験入学を勧められた」(39.4%)となっています。「指導を受けなかった」生徒が59.3%という調査結果は、高校の進路指導が決して十分ではないことを示しおり、それは現在でもあまりかわらない実態があります。

 専門学校進学を希望する生徒への進路指導は、どのような現状にあるのでしょうか。 東京都高等学校進路指導協議会(都高進)が実施した「専門学校への進路指導に関するアンケート結果」(都高進『紀要』第46集、2011年)からみてみましょう。専門学校進学をどのように位置づけて指導しているかをみると、全体の78.3%が「専門学校も一つの進路であり、計画を立てて指導している」と回答し、「専門学校は進学とみなさず、特別な指導はしていない」(7.5%)、「大学・短大を中心とし、不合格者には専門学校への指導もしている」(0.9%)とする回答は少数にとどまっています。これを進学率ごとにみてみると、専門学校進学率10%以上の学校では「計画を立てて指導している」が86%を超える高い回答率になっていますが、進学率10%以内の学校では60%に減少し、21%が「その他」と回答し、個人面談などの指導で対応しているとしています。ただ、進路指導部に専門学校担当を置いている学校は全体の65.1%で、減少傾向から増加傾向に転じています。

 いずれにせよ、1年次から計画的・組織的に進路学習を進めていくことによって、生徒が自ら主体的に自己の進路目標にあった進路選択できるように指導・援助することが求められています。そして、専門学校に関しては、進学を希望する生徒に対して適切な進路決定ができるように組織的に指導・援助する態勢を確立する必要があります。すなわち、専門学校に関する情報・資料の収集・提供や生徒の進路相談などを行う専門学校担当者を進路指導部におき、この専門学校担当者を中心に、ホームルーム担任の理解と協力を得ながら専門学校への進路指導に取り組むことが望まれます。


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