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進路指導の課題と実践
(9/30) 5・専門学校の現状

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(2) 専門学校卒業生の就職状況

 専門学校卒業生の就職は、厳しい雇用状況にもかかわらず、高い就職率をたもっています。文部科学省の『学校基本調査』によれば、卒業生に占める就職者の割合は、2015年度の場合、大学が72.6%、短大が78.1%であるのに対して専門学校は81.8%となっています(東京都専修学校各種学校協会『平成27年度専修学校教育白書』2016年)。

 専門学校卒業生の就職先は、企業の規模でみると、大企業は少なく、中堅企業を中心としたものになっています。厚生労働省の『平成16年雇用管理調査』(2004年)によれば、専修学校卒業生の採用企業は、常用労働者30〜99人の企業の3.5%で、大学卒の9.0%よりは低くなっていますが、1000人以上の企業となると専修学校卒は21.6%で、大学卒の81.2%に遠く及ばない数値となっています。専門学校の就職先は、業界では知られた中堅企業が中心になっているのが特徴となっているのです。また、専攻分野ごとにみると、自動車整備系の卒業生がディーラー、看護医療系の卒業生が病院・診療所等、教育・社会福祉系の卒業生が保育所・幼稚園・特別養護老人ホーム等、服飾系の卒業生がアパレル関連産業というように、特定の学科と産業界の結びつきが強いのも特徴となっています。福祉・医療系の指定養成施設の定員に占める専門学校の定員数をみると、2007年4月現在、看護師は約5万5000人のうちの62.7%、柔道整復師は約8600人のうちの92.4%、介護福祉士は約2万6000人のうちの69.5%を占めていることからも知られるように、当該分野の人材養成に大きな貢献をしています(文部科学省専修学校教育振興室調べ、2007年)。また、文部科学省の『学校基本調査』によれば、専門学校卒就職者のうち、学んだ専門分野に関連した職種への就職率は、2007年度の場合、専門学校全体では93.0%、医療分野は98.3%、衛生分野は96.5%、服飾・家政分野は94.6%となっています。

 では、企業は専門学校卒業生のどのような点を評価して採用しているのかをみると、文部科学省委託調査(インテージ『専門学校教育の評価に関する現状調査報告書』2008年)によれば、「専門の職業教育を受けているから」(57.6%)が最も多く、次いで「仕事に必要な資格を持っているから」(42.6%)、「即戦力として活用できるから」(26.5%)、「新しい分野の専門的な知識・技能を身に付けているから」(13.3%)の順になっています。東京都専修学校各種学校協会と広島大学高等教育研究開発センターとの共同調査でも、企業の専門学校教育に対する評価として、専門学校の現状に対しては「資格に直結した教育」や「職業にすぐ役立つ教育」の評価が高く、将来に対してはそれらに加えて「職業人として幅広い教育」に対する期待が高いことを明らかにしている(小方直幸編『企業からみた専門学校教育』高等教育研究叢書108、2010年)。即戦力というよりは、学科や学んだ知識・技能や資格を相対的に重視して採用する傾向が強くなっていることが知られます。

 採用後の配属では、専攻学科を考慮した配属がなされている企業が多くなっています。また、処遇の面では、国家公務員の場合、人事院規則により、2年制の専門学校卒業生と短大卒業生は1977年からすでに同待遇になっていますが、一般企業の場合も同待遇となっいるところが多くなっています。文部省『平成9年度専修学校に関する実態調査』の卒業生調査によれば、「短大卒業者と同程度」と感じている者が58.9%と最も多くなっていますが、3年制以上の学科が多い分野などでは「大学卒業者と同程度」の割合が高くなり、とくに医療分野では「大学卒業者と同程度でかつ職能手当・資格手当などが支給」が14.2%と、職業資格に対する評価が高いことがうかがえます。

 専門学校卒業生の将来については、看護師・美容師・調理師・保育士などの資格職業や専門学校卒の評価が定着しているアパレル産業など一部の産業界の場合などは、業種・職種の高度化・多様化に対応していけると思われます。東専各協『専門学校卒業生のキャリア形成』(1999年)によれば、高度化・多様化への対応について、「ある程度勉強をすれば対応できる」が77.8%を占め、「現在のままでも対応できる」の12.9%をあわせると、専門学校卒業生の約90%が対応に自信をもっているが知られます。しかし、企業の場合には、専門学校卒業生を、将来基幹的な役割を果たす人材としてではなく、限定的な専門性が要求されている分野の仕事をこなす人材として採用していることにも留意する必要があります。また、専門学校卒業生に対する評価の中には、必要な専門的知識や技術は身につけていますが、生涯を通して自分の職業能力を開発しようとする意欲や気構えに欠ける卒業生が少なくないともいわれています。東京都立労働研究所『専修学校卒業生の労働市場』(1989年)によれば、専門学校卒業生の問題点として、採用した企業の35.8%は「特に問題はない」と回答していますが、その半面、「基礎的な能力に弱く幅広く活用することが難しい」(30.6%)、「期待されるほど即戦力として役に立たない」(26.3%)、「専門職として活用するには専門能力に見劣りがする」(26.0%)などの問題点がうかびあがっています。また、文部科学省の委託調査でも、企業の評価として、職業能力の評価に関して大学卒との差が大きいのは、「考え抜く力」「リーダーシップ」「企画力・創造力」「基礎学力・教養」「調整能力」であること、将来の期待として「より実践的な専門性の習得」が求められていること等が明らかになっています(インテージ『専門学校教育の評価に関する現状調査報告書』2008年)。したがって、専門学校を卒業して就職した場合には、こうした企業の評価にも留意しながら、キャリアアップをはかっていく努力が求められているといえます。


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