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進路指導の課題と実践
(11/30) 6・専門学校をめぐる新しい動向

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(2) 「職業実践専門課程」制度の創設

 専門学校が、高校新卒者の職業能力を身につける職業技術教育の高等教育機関としての役割、また職業人の再教育を行う職業能力養成機関としての役割を担うためには、それに見合った教育内容の充実、教員の資質向上が必要不可欠となっています。

 こうした中、専門学校の全国組織である全国専修学校各種学校総連合会(全専各連)は2006(平成18)年、「専門学校の高等職業教育機関としての地位を確立する」ことを目的に、専修学校を学校教育法の第1条に位置づけることを求める一条校化運動を推進しました。しかし、専門学校は大学と比較して設置基準が緩く、学校評価も行われていず、その質保証も問題とされ、一条校化は進展しませんでした。08年の文科省専修学校の振興に関する検討会議では、職業教育機能に重点を置く「新しい学校種」の創設が議論されましたが、中教審で議論を深めていくことが適当とされ、結論は先送りされました。そして2011年の中教審答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」では、高等教育レベルにおいて新たな「職業実践的な教育に特化した枠組み」を提起しました。この答申は、卓越した実務経験を主な基盤として実践的な知識・技術等を教授するための教員資格、教員組織、教育方法等やその質を担保する仕組みを具備した新たな枠組みを制度化し、その振興を図ることを求め、修業年限2年〜4年、職業実践的な演習型授業が4割〜5割、教員資格は実務卓越性を重視するなど、新しい学校種の創設の具体的な構想を示していました。しかし、大学・短大関係者の反対が強く、実現には至りませんでした。

このため文科省は、2014年度から専修学校の枠の中に一定の要件を満たした学科について「職業実践専門課程」として認定する制度を作り、専門学校における職業教育の水準の維持向上を図ることにしました。

 2014年の初年度は、全国の専門学校の約17%にあたる472校1373学科が認定され、20年3月現在、1,037校3,098学科(全専門学校数の37.0%、全学科数の41.3%)が認定されています。

 この職業実践専門課程は、「職業に必要な実践的かつ専門的な能力を育成することを目的」として組織的な教育を行うもので、文部科学大臣が認定して奨励することにより、専門学校の「職業教育の水準の維持向上を図る」ことを目的としています。

 職業実践専門課程の認定基準としては、次の8つが示されています。

 ・修業年限2年以上。

 ・専攻分野に関する企業等との連携体制の確保および教育課程の編成。

 ・企業と連携した実習、実技、実験または演習の授業の実施。

 ・総授業時数が1700単位時間以上または総単位数が62単位以上。

 ・企業と連携して、教員に対し専攻分野における実務に関する組織的研修の実施。

 ・学校関係者評価を行い、その結果を公表。

 ・学校関係者評価委員に企業等の役員または職員が参画。

 ・企業等に対し、当該学校の教育活動や学校運営の状況に関する情報を提供。

 とくに産学連携による教育課程編成と実習等の実施、学校関係者評価の実施と公表、学校基本情報の提供などが重視されています。

 職業実践専門課程は、「企業等との連携による職業教育」に特化した点に、専門課程との違いがあり、そこには、専門学校教育の質の維持と向上を図る先導的な役割を果たすことによって、専門学校全体の質向上と振興を図る、という期待が込められています。


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