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東日本大震災情報
被災した新入生が避難所に橋渡し
学園の「支えたい」思い、被災者に

=学校法人誠心学園=

 市内の8割以上が巨大地震と、それに誘発された津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市。ライフラインの完全復旧にはまだほど遠い4月6日、現地の2つの避難所で、学校法人誠心学園・東京誠心調理師専門学校(廣瀬喜久子理事長=東京・大田区蒲田)の教職員ら7人が炊き出しを行った。

 この炊き出しは同校が1人の新入生を迎えた縁で実現したもの。陸前高田市で高校までを過ごし、この春、岩手県立大船渡東高校を卒業した鈴木めぐみさんだ。鈴木さん自身も被災し、2週間ほど避難所で生活していたが、両親の勧めにより進学を決意。迎えにきた関東に住む親戚に連れられて3月26日、同校を訪れた。

 震災以降、被災者を支援したいとの思いを抱いていた廣瀬理事長は、鈴木さんから現地の不自由な様子を聞き、即座に両親のいる避難所への炊き出しを決めた。新学期の準備の合間を縫って打ち合わせを重ね、炊き出しのメニューなど詳細を詰めた。4月5日には炊き出しメニューであるおでんと焼きおにぎりを学校で約300食調理し、温めるだけにして車に積み、夜9時前に陸前高田市に出発した。

 6日朝7時には鈴木さんの父親が暮らす避難所に到着。建築従事者であり瓦礫の撤去や仮設住宅の工事に忙しい鈴木さんの父親は、建設現場に近いこの避難所にいる。前日に電気が復旧したがガスは使えず、焚き火で温めるおでんと、その場で火で炙った焼きおにぎりは、作業に出かける人々に「久しぶりの美味しい朝ごはん。元気が出る」とことのほか喜ばれた。

 次に一行は母親のいる避難所へ。ここは母の実家に近く、周りはめぐみさんを小さい頃から知る人ばかり。「めぐみちゃんの通う東京の学校の先生が来た」と大歓迎を受けた。ここでもおでんと焼きおにぎりに被災者は舌鼓を打っていた。箸休めの白菜の漬物も好評で、なかには教職員に作り方を教わる年配の男性も。大震災の悲しみから一時解放され、教職員らも交えた和やかな雰囲気の中、被災者はささやかな昼の宴を楽しんだ。

 午後の2時過ぎに一行が避難所を離れるときは、名残を惜しむ被災者がちぎれんばかりに手を振り、めぐみさんの新生活にエールを送っていた。


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