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東日本大震災情報
新宿調理師専門学校

福島県双葉町の被災者と交流


 食卓に素敵な笑顔の花を咲かせる調理師を目指す新宿調理師専門学校(上神田梅雄校長=東京・新宿区西新宿)は11月30日、埼玉県加須市の旧騎西高校で避難生活をしている福島県双葉町の被災者を訪ねて交流を図った=写真=。

 同校は震災直後に、宮城県気仙沼市の避難所で炊き出しを行い、一昨年は宮城県女川町、昨年は福島県南相馬市の仮設住宅を訪問、学生も参加して被災者を励ました。

 福島県双葉町は平成23年3月11日の東京電力福島第一原発事故で全町民が避難。役場機能も福島県川俣町、さいたまスーパーアリーナを経て、廃校となった旧騎西高校に町民とともに移っていた。避難当初は約1200人がプライバシーのない不自由な共同生活を余儀なくされていた。

 双葉町は、役場機能を福島県いわき市へ移すのを機に昨年6月、避難所の閉鎖を決定。約100人いた避難者は移転発表後、近隣の借り上げ住宅などに転居し、訪問日には8家族10人が避難生活を送っていた。

 今回で4度目となる支援活動は、長い避難生活を続ける被災者に温かい料理を提供しようと、被災地特待生3人を含む学生24人、職員5人の計29人が参加。昼は学校で助手として働き、夜は調理師を目指す夜間部1年の柳澤夢華さん(岩手県普代村出身)、菅野修平さん(福島県相馬市出身)、水野将登さん(同浪江町出身)の特待生3人が代表して献立を説明した。

 小さなおむすびに、ふんわりした卵焼きやつくね焼きのほか、7種類の特製おでん、南瓜や里芋の煮物、4種類の香の物といった栄養バランスの良い料理を被災者に提供。前日から8割程度を仕込み真空パックで避難所に運び、生徒ホールの厨房で調理を行って町民をもてなした。

 食事会には近隣に転居した双葉町民らも含めて28人が集まった。学生一人ひとりが調理師としての目標や抱負、決意などを発表し、参加者から温かい拍手が送られた。会場のムードが盛り上がると急きょカラオケ大会が行われるなど楽しいひとときを過ごした。

 柳澤さんは前日の仕込みでつくねを担当。「食べるときの表情は皆楽しそうで、おいしいと褒めていただいた。卒業後は岩手県に戻って食を通じて人と接する仕事をしたい」と語った。

 出来たての温かい料理で舌鼓をうった参加者は「若い人と久々に会話ができて力をもらった」「里芋の煮物がとても美味しかった。作り方を教えてもらったので自分で作ってみたい」と学生との触れ合いに感激した様子。上神田校長は「調理師は料理を作っても、召しあがっていただく方がいなければ成り立たない。学生が皆さんにお料理を届けにきたのに、反対に激励をいただいた。彼らにとって一生忘れられない思い出となるだろう」とあいさつした=写真右=。

 同校では社会活動の一環として新宿駅西口周辺の清掃も行っており、毎回100人を超える学生が積極的に参加しているという。上神田校長は「被災地訪問は学生の心を育てる大切な教育であり、今後もこうした社会活動を続けていきたい」と語っていた。


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