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東日本大震災情報
新宿調理師専門学校

福島県の特養施設「いいたてホーム」訪問、
施設職員労い「ありがとう弁当」届ける

 
●いいたてホームの前で記念写真に納まるオールスタッフ(左)と三瓶政美施設長にあいさつする学生代表の悉地彩さん

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から5年−−。新宿調理師専門学校(上神田梅雄校長=東京・新宿区西新宿)は7月26日、福島県相馬郡飯館村の特別養護老人ホーム「いいたてホーム」を訪れ、献身的な介護で利用者を支えている施設職員に“労いのありがとう弁当”を届けた。

 東日本大震災の被災地では、いまだに被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされ、高齢者の孤独死も懸念されている。さらに福島県は原発事故に伴う農産物の風評被害も収束せず生産者は苦しんでいる。

 今回訪れた飯館村は、原発事故を境に「計画的避難区域」に指定され、放射線への不安も大きい。いいたてホームは、避難による健康への影響や家族の負担、施設職員交代による混乱など、利用者の生活に考慮し、全村避難となったあとも施設に留まる意思を表明。利用者は変わらぬ生活を送りながら、施設職員は村外から通うというシステムを5年間続けている。このことを知った上神田校長の熱心な呼びかけで今回の訪問が実現した。

 同校はこれまで、東日本大震災の被災地や、昨年9月関東・東北豪雨で被害を受けた常総市で被災者へ炊き出しを行ってきた。また今年4月の熊本地震の被災者には、毎週金曜日に校内で集団調理授業を実施して、学生・教職員に昼食を販売した売上金を義援金として送っている。

 上神田校長を隊長に引率教員9人、学生78人の総勢87人が参加した一行は、前日の夕方から同校で料理の仕込みを開始。鮭の味噌漬けや鶏つくねの焼き料理、長芋、南瓜、蓮根をはじめ10品の野菜の煮物などを詰めた3段折詰を51個用意した。2台の大型バスで早朝4時半に学校を出発、10時に現地に到着した。

 到着後、上神田校長は「徹夜の準備で大変だったが、このような思いをしなければ感動はない。この訪問はこれからの歩み、生き方に必ず良い影響を与えてくれる。感謝の気持ちを届けよう」と学生に呼びかけた。学生代表の手から、施設職員の手へ心を込めた“ありがとう弁当”が届けられた。

 このあと同ホームの三瓶政美施設長が「3・11福島であの日起きたこと〜そして現在・これから〜」と題して講演、震災直後の避難の状況や現場で利用者と向き合った様子をスライドで紹介した。また、小林明美主任介護士は「施設職員に弁当を届けていただいたのは初めてのこと。震災前から諦めないケアに取り組み、利用者を笑顔にする思いの中で、私たちにも楽しみをいただけたことに感謝している」と述べた。

 最後に調理師専修科2年の悉地彩さんが「実際に自分の目で被災地を見て、話を聞かないと分からないことがたくさんあった。自分がどれだけ幸せな生活をしているか改めて感じた。訪問できない学生も手伝った弁当を召し上がっていただきたい」とあいさつした。

 また、避難の実態をまとめた「避難弱者」(東洋経済新報社刊:相川祐里奈著)が同校に寄贈されたほか、同ホームの理事長で飯舘村の菅野典雄村長から「料理を通した交流を図りたい」というメッセージも送られた。


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