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被災地で自転車の修理80台
ニーズに応え今後も月2回のペースで
=学校法人ホンダ学園・ホンダ テクニカル カレッジ関東=
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「被災者に何かしてあげたい」―。学校法人ホンダ学園・ホンダテクニカルカレッジ関東(小栗篤校長=埼玉・ふじみ野市鶴ヶ岡)一級自動車整備研究科4年の古屋一成さん、青木健太さんの純粋な気持ちがことの始まりだった。自分たちに何が出来るのか。被災地では津波で大量に車が流され、残されたわずかな車もガソリン不足で走れないことが新聞で報道されていた。
現地で自転車が被災者の足を支えているのをテレビのニュースで知った。「瓦礫の中から取り出した自転車は塩水につかり、道路に散乱した木材の釘でパンクして走れないのではないか」。授業でエンジンの解体や組み立て実習に取り組んでいる2人にとって、自転車の修理はお手のもの。被災者支援の活動内容が決定した。
そこで活動資金を集めるために、学内に募金箱を設置して呼びかけ、4万5429円が集まった。これを元手に第1回目の支援活動は3月30、31日、第2回目は4月16、17日、第3回目は5月8、9日に実施した。
まず3月30日、第1回目の支援活動がスタート。自転車のパンク等の修理、水没車の復旧を想定した工具、パーツ等を車に積み、また2人の移動を確保するガソリン、宿泊用テント、さらに食糧、水、着替え等も持参して一路、宮城県の石巻市、気仙沼市にハンドルを切った。巨大地震から2週間後、郡山を過ぎると高速道路は応急の修復工事で復旧したばかりとあって、車は波打つように上下・左右に揺れ、運転も思うようにいかなかった。
想像を絶するような光景の中を石巻市に到着。釜小学校付近で1台の自転車のパンク修理に当たる。好文館高校で31日のアポを取り、避難所に寄って自転車の故障状況の情報収集も行った。現地では自転車が非常に重宝され、盗難車も多発するほどだった。もちろん、現地の自転車屋も被災しており、パンクの修理は被災者から“大歓迎”された。
結果として、第1回支援活動で自転車の修理25台、オートバイ1台、第2回自転車35台、第3回自転車21台、四輪1台を修理するという実績をあげた。
第2回支援活動から一級自動車整備研究科の教員で、自転車同好会顧問の豊田剛氏や新たな支援学生も加わってボランティア態勢を強化した。今後もこの支援活動を月2回程度のペースで続けていくという。
古屋さんは「修理が思うようにいかなくても、あきらめずに故障車と向き合いました。僕らのあきらめずにまずやってみるという姿勢が被災者の心に届いたと思います」と語る。
被災地では何が求められているか、日々刻々と変わるという。豊田氏は「被災地の情報を収集してニーズを把握し、次の作戦を立てる。やはり現場でのコミュニケーションとマーケティング、これが学生にとって最大の収穫だと思います」とボランティア活動の成果を強調している。
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