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東日本大震災情報
福島第一原発事故 双葉町集団避難者に炊き出し
カレーなど約1200食で元気づけ

=学校法人後藤学園=

 ふるさとを離れた避難者に温かい食事を――。福島第一原発事故で、放射能の見えない陰に集団避難を余儀なくされた福島県双葉町。町役場ごと住民ら約1200人が埼玉県加須市の旧騎西高校で避難生活を送っている。

 最初の避難所となったさいたまスーパーアリーナから集団移転してちょうど1か月になる4月30日、武蔵野調理師専門学校、武蔵野栄養専門学校、専門学校武蔵野ファッションカレッジを設置する学校法人後藤学園(後藤人基理事長=東京都豊島区南池袋)が炊き出しを行った。

 当日は午前10時に、炊き出しの材料や機材を積んだトラックなど計7台の車両で約30人が同校に到着。前日から武蔵野調理師専門学校で下ごしらえを済ませたカレーと調理済のデザート1200食を持ち込んで、朝10時から厨房を備える「生徒ホール」を使って仕上げを行った。

 カレーの匂いが漂うにつれて避難者が顔をのぞかせ、食事が提供される11時半には役場広報のスピーカーで炊き出しを知った人々が続々と集まった。「カレーだ!」と嬉しそうに叫ぶ男子児童や、「おいしそう」と声をかけあう年配の女性達が整然と並び、ダンボールを利用した即席のお盆で使い捨て容器に入った人数分の食事を受け取っていた。教職員らは鍋の担当やご飯をよそう係、配給係とチームごとに分かれ、人の流れをスムーズに誘導するなど効率的に作業を進めた。

 ピークの12時頃には生徒ホールの入口まで続く行列ができ、1時間程度で避難者の大半に食事を配り終えた。供されたのはお肉のたっぷり入ったカレー、デザートの杏仁豆腐。町役場の職員やボランティアが食事を終えたのを見届け、教職員全員がテーブルを囲んで昼食をとったあと、迅速に後片付けを行い撤収した。

 ほとんどの避難者はそれぞれの居室に持ち帰って食事をとったが、なかにはホールで仲間とランチを楽しむ若者の姿も。デザートも大好評で、1人で10個以上たいらげる豪の若者もいた。「家庭的なカレーが食べたい」という要望でシンプルに作ったというカレー。豚肉と鶏肉をたっぷり入れて煮込んだ自信作で、お代わりや夕食用にと再びホールを訪れる避難者もいた。

 双葉町の井上一芳副町長は同学園の教職員を前に「普段は差し入れのお弁当なので、町民にとって温かくておいしいものを食べるのは久しぶりです。心から感謝しています」とあいさつした。ある教員は「町民の方から感謝の言葉をたくさんいただき、私も感激しました。皆さんのお役に立てて本当に嬉しく思います」と目を潤ませていた。


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