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東日本大震災情報
気仙沼市の階上中学校で炊き出し
「ほっこり料理」で被災者励ます

=新宿調理師専門学校=

 3・11の東日本大震災、それに誘発された巨大津波から4か月余りが経過した7月16日、新宿調理師専門学校(上神田梅雄校長=新宿区西新宿)は気仙沼市長磯中原の階上(はしかみ)中学校の避難所で炊き出しを行い、被災した人たちを「ほっこり(温かい)料理」で励ました。

 同校の金井弘子理事長代理は気仙沼市の出身で階上中学校を卒業。大震災では階上地区にあった実家が流失し、実兄も震災直後、階上中学で避難生活を余儀なくされていた。今回の炊き出しは、実兄の小野寺秀昭さんが同校と避難所の橋渡しをしたもので、同校の関川惠一理事長が総指揮に当たった。また実行班長は上神田校長が務め、金井理事長代理を含め総勢15人が参加。15日の夜10時に同校を貸し切りバスで出発し、一路、気仙沼市に向かった。

 16日の朝8時に現地に到着、避難所などを視察した上で、早速炊き出しの準備に取り掛かった。炊き出しは移動食堂『癒しのほっこりレストラン』と名付けられ、上神田校長自らが年配の被災者を考えて「ほっこり料理」のレシピを考案、汁&ワンプレート(丸平皿)に手の込んだ10品の料理を盛り付けて、階上中学校や近くの公民館、仮設住宅の被災者に300食を提供した。

 真空パックで階上中学校に運ばれた「ほっこり料理」のメニューは、仙台味噌に塩若布、茄子、なめこなどを入れた味噌汁、またワンプレートには赤飯、新じゃが芋、玉ねぎ、レンコン、青菜など7種類の野菜がそれぞれ個別に味付けされた田舎煮、そしてさば味噌煮、玉子焼き、鶏唐揚げ、豚肉角煮、さらにセロリや胡瓜など4種類の素材を使ったピクルスなども添えられた。このほかデザートとして白玉あずきもつけられるという文字通りの「ほっこり料理」となった。

 避難所では、コンビニのおにぎりや弁当という簡素な食事がほとんどで、調理師学校ならではのおもてなしの心が込められた「ほっこり料理」が振る舞われるのは初めてとあって、避難者も笑みを満面に浮かべて行列に加わり食事を受け取っていた。

 階上中学校の屋内体育館は被災者の避難所に充てられ、グラウンドは仮設住宅が建てられていて、中学生の体育の授業にも支障をきたしているという。炊き出しが行われた日は土曜日だったが、卓球部やテニス部、吹奏楽部など部活の生徒も大勢登校、生徒にも昼食にほっこり料理が配られ、「大人の味みたい」などと歓声を上げながら温かい料理に舌鼓を打っていた。

 炊き出しの一行は帰路、南三陸町や石巻市、そして女川町を訪れ、海に向かって合掌、被災地の早期復興と亡くなられた人たちの冥福を祈った。

 同校ではこれまで、職人育成教育を綴った『職人のレシピ』(ダイヤモンド社刊)の売上金の一部(百万円)のほか、理事長や卒業生からの義援金を日本赤十字社を通して被災地に送っており、被災地支援は今回で3度目となった。


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