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東日本大震災情報
UIA東京大会で内藤校長が講演
大震災のボランティア活動を詳細に

=日本工科専門学校=

 第24回世界建築会議東京大会(UIA2011東京大会)が9月25日から1週間の日程で、東京国際フォーラムや東京・丸の内地区を会場に講演やセミナー、プレゼンテーション、ワークショップ、展覧会など多彩なイベントが繰り広げられた。

 UIA大会は、1948年にスイス・ローザンヌで初めて開催されて以来、ほぼ3年に1度、世界の各都市で開かれている建築祭として世界最大級のイベントで、日本での開催は今回が初めて。

 UIA東京大会の一環として9月27日、丸の内オアゾで「UIA2011東京チェアシティ展」が開かれ、日本工科専門学校(兵庫県姫路市兼田)の内藤康男校長が『阪神淡路大震災から東日本大震災へつなぐ〜学ぶ技術でボランティア』と題して講演した。

 同校は仮設住宅の建設が遅れる中で、その供給活動を後方支援する「東日本大震災木造仮設住宅プロジェクト」を立ち上げ、東北行きを決断。岩手県陸前高田市のオートキャンプ場・モリビアに「日本初!学生たちによる木造一戸建て住宅」8棟を建設した。

 仮設住宅は鉄骨やプレハブ造りが一般的で、これまでより快適な木造などの居住環境を仮設住宅に導入することはなかった。ところが岩手県住田町の多田町長は、温かみのある木造仮設住宅の建設に踏み切り、震災後3日目には着工していたという。

 我が国で初めての一戸建て木造仮設住宅は地元第3セクターの住田住宅産業が110棟を建設、陸前高田市でも60棟が建設されることになった。そこで同校の建築工学科と建築職人マイスター専攻科の1、2年生14人が内藤校長の呼びかけに応じて木造仮設住宅プロジェクトに志願し、地元大工さんの指導を受けながら3日間で8棟の木造住宅を建てた。

 同校では、在学中に実社会を体験するインターシップ制度を導入していて、文部科学省の研究委託事業にも指定されている。東日本大震災の発生を機に、「木の温もり、癒される木造の仮設住宅を作ろう」という機運が学内に盛り上がり、FSCジャパンを通して木造仮設住宅を建設していた岩手県住田町の第3セクター・住田住宅産業と繋がり、陸前高田市への「学ぶ技術でボランティア」が実現の運びとなったものだ。

 当初は4日間で10棟の目標を立てていたが、最終日の4日目の早朝に大きな余震があり、雨も降っていたため建設作業の断念を余儀なくされ3日間で8.5棟の建設に学生たちは悔しがったという。

 また同校では、NPO団体と自動車科のコラボレーションによるカーシェアリングも実施。全員が自動車整備士の免許を持つ一級自動車工学科と車体工学科のスペシャリストチームが近畿陸運局の認証工場でもある実習場で2台の車検整備・予防整備を行った上で、石巻市の仮設住宅に11月に車2台を贈る予定だ。

 津波で被災地では多くの車が流失しており、仮設住宅の入居者に共有して利用してもらうという。同校の一貫した「学ぶ技術でボランティア」という姿勢は、学生たちに“支えあう思いやりの心”を育むだけでなく、“技術教育”こそが復興の原点ということを気づかせたのではないだろうか。


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