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東日本大震災情報
女川の仮設住宅にお土産料理届ける
全校生で作った料理を「手から手」へ

=新宿調理師専門学校=

 「忘れてはいません。東北の被災地の皆さんを…」―。職場や家庭、学校から東日本大震災の話題が少なくなる中で、新宿調理師専門学校(上神田梅雄校長=東京・新宿区西新宿)の教職員や学生43人が7月15日、大型バスに乗って宮城県・女川町にある多目的運動場仮設住宅(木村正仁自治会長)を訪問、被災者の住宅を1軒1軒訪ねて持参したお土産料理を配りながら、被災者の心に寄り添った。

 同校は、昨年の7月16日、気仙沼市の階上(はしかみ)中学校で炊き出しを行い、「ほっこり料理」で被災者を励ました。当時は、避難所暮らしだった被災者も、今は仮設住宅などでの避難生活を余儀なくされており、生活がいくらか改善されたとはいえ、将来の展望を見出すことができない人もいる。

 2度目の被災地訪問は、全校生で食べ物のお土産を作って、「手から手へ」直接被災者に手渡し、被災者を励ますとともに、学生たちに平和な日々の満たされた暮らしに感謝しながら被災者に心を重ねようと企画されたものだ。

 この仮設住宅には、同校のかつての教員が避難しており、自治会を通して被災地訪問の話がまとまった。

 「届けましょう、ささやかな優しさを…、忘れません、皆さんの頑張りと笑顔を…」合言葉に、冷凍保存ができる真空パックの料理に学生全員が参加、授業中に新生姜、オニオンスープ、鶏味噌、チリソース、ブラウニーのお土産料理を作った。

 一行は14日の午後11時にお土産料理を積み込んで学校を出発、翌日の8時に女川町の仮設住宅に到着したあと、集会所で5点の料理を手際よく「手から手へ」と印字された箱に詰め、3人1組で165軒の仮設住宅を回った。

 「新宿の調理師学校から参りました。私たちが心を込めて作った手料理を召しあがってください」―。自治会からあらかじめ訪問を知らされていた被災者は、玄関先で渡されたお土産料理を笑顔で受け取っていた。

 86歳になるというおばあちゃんは「遠いところからよく来てくれたね。私はこの年になるまで3回も津波を経験した。3・11の津波はとてつもなく大きく恐ろしいものだった」などと当時の模様を詳しく学生に語りかけ、学生も被災者に心を重ねて聞き入っていた。

 上神田校長は「学生に実際の被災地を見てもらい、被災者に心を重ねることは人の心を思いやる料理の道にも通じるものがある。普通の生活ができることに感謝する上で、大きな意味がある」と今回の被災地訪問の成果を語っていた。(東日本大震災・特別取材班)


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