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専門学校の賢い選び方
《総合編――専門学校全体に関するQ&A》
Q
2.新聞の広告で英会話学校を知り、進路の先生に相談するとそこは「無認可校だ」といわれました。専門学校とどう違うのですか?(女子高校生・16才)
 
A
法律の話になりますが、専門学校は学校教育法で定められた専修学校であり、私立の場合は各都道府県知事の認可を受けています。その多くが学校法人であり、また土地や校舎も自己所有のものです。従って、専修学校は公的な教育機関という意味で経営基盤の確保が求められ、学校としてクリアしなければならない設置基準があり、違反した場合は行政指導の対象となるわけです。つまり、学ぶ学生・生徒の身分を保障しているのです。

 たとえば、英会話スクールなどは交通に便利なビルの一角に間借りして授業を行っており、受講生が集まらなければ、すぐ閉鎖してしまうこともあります。これらのいわゆる一般的に“無認可”と呼ばれる教育施設は、それなりに社会人や大学生たちの“学びたい”ニーズに応えて受講生を受け入れており、社会的に大きな役割を果たしているのも現実です。

 しかし、高卒者が専門的知識や技術を学び、将来それを生かして就職することを考えているとしたら、これは間違いなく○○スクールや○○教室ではなく、認可を得た専門学校を選ぶべきでしょう。

 なぜでしょうか。そこには大きな違いがあるからにほかなりません。

 まず第1点は卒業後の身分の問題です。一定の要件を満たした2年制の専門学校を卒業すると「専門士」の称号が与えられ、就職や資格取得の際は短大と同等の扱いをされます。また大学編入学の途も開かれています。
 第2点は、国家資格に関して、専修学校に与えられている各種の特典が無認可校には適用されない、ということです。たとえば専修学校の場合、所轄の大臣もしくは都道府県知事の指定を受けた学科を卒業すると、卒業と同時に無試験で国家資格取得(電気工事士、測量士補、栄養士、調理師、保育士、介護福祉士など)、受験資格付与(建築士〈2級・木造〉、看護師、歯科衛生士など)、国家試験の一部免除(自動車整備士〈指定校は卒業と同時に受験資格が付与され実技試験免除〉、無線通信士など)などの特典がありますが、無認可校にはこうした特典がいっさいありません。
 第3点は、専修学校生は日本育英会の奨学金や公的育英資金の貸与対象となりますが、無認可校はいずれも適用対象外です。また、学生・生徒災害傷害保険についても、無認可校は加入できません。
 第4点は、人事院規則によって「専修学校の専門課程二年卒業者は短大と同等」とされていますが、無認可校を卒業しても、厳密には高卒ということになります。
 第5点は、無認可校の場合、通学定期や学割は利用できません。これは費用の面でも、大きなマイナスです。
 第6点は、専修学校をめざす高校生の大半は資格や技術を生かして就職することを考えていますが、無認可校の場合、厚生労働大臣許可の無料職業紹介所を設置することができません。
 第7点は設置基準の違いです。専修学校は学校教育法で位置づけられた正規の学校ですから、修業年度、年間授業時数、入学資格、校長・教員の資格校舎面積などがその設置基準で定められています。
 その他にも定められた条件が多数ありますが、無認可校は何ひとつ基準がありませんから、校地・校舎はほとんど所有しておらず、ビルの一角を借りて教室にあてているのが現状です。

 このように学校経営の安定性、組織的な教育、教育の永続性という観点から考えるとやはり、無認可校は新規高卒者にはなじまない教育機関である、といえましょう。

 このほか無認可校は、かつての青山レコーディングスクールやマッキー国際学園のように倒産しても、学校ではありませんから行政の救済措置などは皆無で、行政指導の対象とはなりません。また最近は、国や各都道府県で専修学校の振興を図るために各種の補助・助成事業などを展開していますが、こうした振興策に関しても、無認可校はもちろん“カヤの外”に置かれています。

 はじめに学校ありき――。入学してから「学校ではなかった」と泣かないためにも、高校生はキチンとした専門学校を選ぶべきなのです。

参考:このホームページの「進路指導の課題と実践」→[3]専修学校制度 をご覧下さい。CLICK!

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