静岡県立磐田農業高等学校 3年

石 本  駿 輔
 

「雑穀に託す私の夢」
 
 私は将来、家業である農家レストランを継ぎたいと思っています。それは小さな頃からその家業を見てきた、と言うこともありますが、一番の理由として、自分自身が農業と調理関係の仕事にとても興味があったからです。

 私の家族は、「農家レストラン」という郷土料理のレストランを経営しています。そこでは雑穀を中心にした、自家製の野菜や作物をつかって、「タカキビのハンバーグ」や、「稗フライ」などと言った「雑穀料理」をお客様に提供しています。お客様の反応もすこぶるよく、毎年多くのお客さんに来店してもらっています。そんな家業を小さなころから見てきた私は、将来は、このレストランを継ぎ、雑穀をたくさんの人たちに知ってもらいたいと考えるようになりました。

 近頃雑穀といえば、アレルギー代替商品として、また栄養価の優れた食品として、注目されてきました。この雑穀は、大昔から食べられてきたものなのです。しかし、食生活が豊かになったことによる、食の欧米化などのあおりを受け、あまり食べられなくなってきたと言うのが事実です。

 私の家は、静岡県浜松市の水窪(みさくぼ)町にあります。この町は、長野県と愛知県との県境の町で自然が豊かな町です。そんな町で、小さい頃から雑穀に慣れ親しんできた私は、この雑穀を多くの人に広め、町興しができたら良いなと、祖母や両親の喜びをもって働く姿から考えるようになりました。

 今、行われている一般的な食べ方として、白米と一緒に炊くという方法以外の魅力的なものを考え、実践していきたいと思っています。例えば、製粉してから、米粉のように小麦粉の代わりとしてパンや菓子などの材料として利用することは可能なのです。また、雑穀には多くの種類があり、同じ「きび」にも、「こきび」「たかきび」といったように、形状や食感、栄養組成の性質などの違いにより、さらに細かく分類されます。これらの様々な性質を生かして、個々の雑穀について、多くの効果的な利用を研究していきたいと思っています。

 たとえば、アレルギー源とされている「小麦」「卵」などを使用しない「雑穀パン」を開発できれば、パンを食べられない子どもたちも喜ぶと思うし、一般の人向けとしても、栄養価を重視した、健康に良いお菓子を作ることができると思います。また、栽培の方向からも、新規農業者の指導などもやっていきたいです。

 そんな、仕事を将来的にしていきたいと思っている私は、進路として、4年制大学の農学部に入学し、栽培学や雑穀の研究をしていきたいと考えています。それは祖母や両親から「自分たちの取り組みはまだ緒のついたもので、おまえが地域を動かし、水窪の地を活性してくれたら嬉しい」と後押ししてくれたからです。

 将来的に高校、大学で身に付けた知識・経験を、地元に持ち帰り、雑穀を中心にした我が家の農家レストランとしての事業と、食と農業を中心にした、町興しに貢献していきたいと思っています。そのために、今以上に農業に対する様々な人の意見を聞いたりしながら自分を成長させていきたいです。

 特に私の住む地域は、山間のため水田がなかなか作れなかったこともあり、雑穀が主につくられてきた地域です。そして私の祖父母は天皇陛下へ雑穀を献上したことがあります。小さな頃からその背中を見てきた私は、雑穀に人一倍感じるものがあり、雑穀のある生活が当たり前だと思っていました。しかし幼い頃、実際はそうではないことを知り、驚いたことを今でも覚えています。なので、今ではなかなか食べられなくなってきた、この雑穀を、人々に広め、私たちの「未来食」にしたい。これが今の私の夢であり目標です。

 そして、私たちが住む小さな水窪町の町興しへと繋がっていけたらいいなと思っています。この夢を仕事として、一生を費やして実現させるための努力をします。そしていつか両親の思いを実現し地域に誇れる職業人となりたいと思います。


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