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「自分の味」 | ||||
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私は今、製菓の専門学校に通っている。片道1時間半かかる所に毎日だ。 中学3年生の夏休み、沢山の先生から言われた。「本当に専門学校でいいの?」「その夢が叶わなかったら終わりだよ。」と。私は、これらの言葉に何度も心が折れそうになった。そんな時、私を救ったのは父だった。 父は、自営業で肌着館をやっている。お客さんは、だいたいがおじいさんやおばあさん。店の中には、父が選んできた、おじいさんやおばあさんの肌に合うような肌着が沢山、並べられている。 私が学校帰りに店に寄ると、大抵両親がお客さんの話を聞いている。私は、この空間に居ると落ち着くから好きだ。 ある日、先生たちから、そんな心無い言葉をかけられ、悩みながら店に帰ると、父は、その様子に気づいたのかはわからないが、その日の夜こんな話をしてくれた。 「あんたは、鳳凰の年に生まれたんだよ。鳳凰というのは、死んでも生き返れるし、どこへでも飛んでいけるんだよ。だからあんたも、どこへでも好きな所へ、やりたい事をしに飛んでいきな。」と教えてくれた。 私は、この言葉に後押しされ、公立を受験する子達より一足先に受験した。沢山の友達に応援され結果は合格。 そして中学を卒業する時、当時の保健の先生が私にかけてくれた言葉がある。「自分の味を見つけてね。それは、お菓子を作っている一人ひとりで違うものだから。だから私は、デパートやコンビニで売っているケーキは好きじゃないの。」と。私は、こんなことを言ってくれる先生がいるのかと思うのと同時に、いつか「自分の味」を見つけられるようにがんばろうと思い、何度もうなずきながら、先生の話を聞いていた。 そして今、中学校を卒業してから数ヶ月。高等専修学校生活は始まったばかりで、楽しいかどうかもわからない状態だ。毎日、学校に通うだけでも体力を使う。疲れきって店に帰った私を見て、父はもう一つ教えてくれた。「学校というのは、楽しいところじゃないんだよ。でも、その歳で学んだことは、必ず後の人生で、役に立つから。商業の専門学校に通っていた私が言うんだから、間違いないでしょ。」と。 それからの私は、実習や座学でわからないことがあると、先生に質問するようになった。中学ではあまりやらなかったことだ。質問をしてみると、先生はとても丁寧に私がわかるようにゆっくりと、質問に答えてくれた。 私は、沢山の人達に助けてもらっているなぁと思う。それは父であったり、友達や先生であったり。 私はいつか、自分の店を持ちたい。父のように、こだわりの沢山つまった商品を並べ、お客様の沢山の笑顔と、美味しいがあふれているような。 これから、父が言うようにこの学校で、沢山のことを学び、卒業したら、自分の味を探しに、鳳凰のように好きな所へ飛んで行こうと思う。そして父のように落ち着ける、温かい空間をつくり、自分で探してきた味を並べ、いつか、私を助けてくれた沢山の人たちに、私の味を食べてもらう。それが今の私の夢だ。 |