札幌科学技術専門学校高等課程 1年

出 口  航 大
 

「好きな仕事で、夢をかなえる」
 
 僕がしたい好きな仕事というのは、ゲームクリエイターです。ゲームクリエイターになりたいという夢は、僕だけでなく多くの人が小学生の頃から抱き、目指しているものだと思います。

 これらの人達がゲームクリエイターを目指す理由は「ゲームが好きだから」「自分で作ったゲームをしたいから」などでしょう。僕はそのような皆の考え方を否定しませんが、僕がゲームクリエイターになりたという気持ちの強さは、決して誰にも負けることはないと言い切ることができます。なぜ僕がここまで断言できるかこれから話したいと思います。

 以前、僕は表面上は笑ったり怒ったり、社交的に振舞っていました。しかし、心の奥底から湧き出る激しい思いというのを感じた事が無く、自分自身でも、「感情が薄いな」と自覚している時期がありました。友人と話をしていても、面白い、楽しいと感じはしましたが、それはその場だけの事でした。

 僕はそんな自分が嫌いで、その当時流行っていた携帯小説というものを読んだり、友人が「感動して泣いた」などと言っていた映画も見たり色々な事をしてみましたが、涙が流れることはなく、反対にイラ立ちを覚えることさえもありました。

 そのような日々の中、ある日、暇つぶしにレンタルビデオ店に入った時、一つのゲームに目がとまりました。それは以前買ったのはいいが、面倒くさくて最初だけ手を付けて投げ出したゲームの第2弾でした。何気なくそのゲームを買い、家で以前投げ出した第1弾からやり始めました。最初のうちはただ何となく面白いというレベルでしたが、それから僕はどんどんはまっていき、気が付くと、夜が明けるまでゲームをやっていました。その第1弾のゲームをクリアすると、すぐに第2弾へと手を伸ばしました。

 そして、気が付くと、僕は寝ることさえ忘れてのめりこんでいました。そして、ゲームを続けるうちに、実際に自分がその主人公になっているかのような不思議な気分になり、ストーリーと自分が一体になり、あたかも現実のように物語は進んでいきました。そしてエンディングシーンに辿り着いた時、そこには何年ぶりかの涙を流している自分がいました。

 ふと我に返り、「ゲームなんかで泣いている俺は馬鹿か?ついに頭いかれたかな」と思い、一人で笑っていました。大笑いではない、ほんの少しの笑いでしたけれど、誰の目を気にした笑いでもなく、何だかとてもすっきりするような笑いになっていた自分がいました。

 それ以降、僕は様々なジャンルのゲームをひたすら続けました。そのうち「俺ならここをこうする、こうなら面白いのに」と思うようになっていき、気が付くと自分でゲームを作りたい、と思うようになっていました。ゲームというものは、自分が主人公になり、その世界の中で、自分が動きたいように動き、したい行動を取り、それによって物語も変わり、結末も変わります。

 国や人種、性別に関係なく全ての人がプレイできます。このためゲームクリエイターという職業は、人の夢を形にして、一人ひとりに夢を与え続け、夢を叶えることの出来る素晴らしい職業だと思います。また、ゲームというものは一人の手で出来上がるものではなく、プログラマーやデザイナー、たくさんの人の協力によって完成される作品です。

 将来、僕がゲームクリエイターになったら、僕のように、ゲームに救われるような、心にとても大きな何かを残せるゲームを作りたいと思っています。そして多くの人に夢や感動を与えたいと思っています。国や人、性別、健康、病弱、何にも問われずにたくさんの人と協力し、たくさんの人に感動を与えられる素晴らしい職業、「ゲームクリエイター」が僕の夢です。


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