ヨコスカ調理師専門学校高等課程 2年

永 吉  香 綸
 

私の憧れる仕事人
 
 私の憧れる仕事人は両親です。私の父は漁師です。そして、母は美容師です。

 まず、漁師の父のすごい所は真夏の猛暑の中、真冬のマイナス気温の中で一生懸命、仕事をしているところです。私も父と一緒に遊びで釣りに行きますが、あまりの暑さや寒さですぐに釣りをやめてしまいます。それでもひたすら釣りをして、日焼けで真っ黒な肌、寒さで真っ赤な顔をした父の姿はとてもかっこいいです。そして父は自分の釣った魚にとても自信を持っています。例えば父の釣った黄金アジと呼ばれる金ピカアジは沢山の料理屋さんや納めに行っている市場の方々から大絶賛されています。「このアジしか使えないよ」、「とてもおいしい魚だね」と言われ父は笑顔で「ありがとうございます」と言い、その人たちにアジの説明や海の話をわざわざし始めてしまうくらいです。そんな父はとても釣りの道具や場所にもこだわりを持っています。天候や気温によって変えるエサや釣り場所の調整はとてもすばらしいものですし、私が家へ帰ると仕掛け作りやリールの修理をすべて一人で行っています。釣り船に来てくださるお客様には一匹でも多くの魚を釣ってほしい、喜んでもらいたいという想いから一つ一つの道具にも手をかけこだわるのだそうです。釣りから帰って来たお客様が笑顔で「楽しかった」と言っている姿のうらには父の努力があるのだと思うと、すごいと感じます。私にとって父は憧れの仕事人です。

 そして美容師の母に憧れるところは仕事に対する姿勢です。母の仕事は花嫁さんのヘアーセットやメイク、ドレスや着物の着付けなどをしています。一日中、立ちっぱなしで忙しさのあまり水一滴も飲めない日もよくあるそうです。しかし母は仕事を嫌がったりする姿を一度も見せた事がありません。どんなに夜おそく帰って来ても、次の日には元気な姿で仕事へ向かいます。その姿は私の目標です。

 勉強家の母は、私の髪でいろいろなヘアースタイルを作って考えたり、花嫁さんのメイクや化粧の色使いを考えたり、着物の着付けのやり方をしょっちゅう勉強しています。私はそんな母が大好きです。

 仕事をする上で父、母を見て大切だと思うのは、お客様の目線に立って相手はどう思うのか、どうしたら喜んでくれるかを常に考えていくことだと感じました。やはり自分の考えや想いだけで仕事をするのではなく、相手の気持ちになって仕事をしていく事、それが本当の「仕事人」だと思いました。私も両親を目標にして誰かに憧れ、信頼される「仕事人」になりたいです。


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