愛知黎明高等学校 1年

白 木  豊 大
 

「走る看護師」ボランティア
 
 私は、平成32年に日本で開催される東京五輪に、とても興味があります。私は走ることが大好きなので、小学生の頃から、陸上競技をやっています。東京五輪に日本代表の選手として参加できれば、この上ない喜びですが、現実はなかなか厳しいものです。せっかく日本で開催される東京五輪なので、何かできることはないか、と考えました。そして、自分の特技を活かしてボランティアとして、関わりたいと思いました。

 皆さんは、「ドクターランナー」という言葉を知っていますか?「ドクターランナー」とは、市民マラソン大会をより安全に運営するために、医療・救護体制の一環として、大会参加者の中から医師資格があるランナーの方を対象に、大会に参加しながら救急対応の補助を行うボランティアのことです。

 私が、「ドクターランナー」というボランティアに興味をもった理由は、陸上をやっているからです。もう1つは、今年の春、5年間かけて国家試験の受験資格を取得する高校の看護科に入学したからです。1年生で、勉強をはじめたばかりですが、看護師を目指して、頑張っています。東京五輪が開催される頃には、私の特技は、陸上競技の経験と看護の知識になっていると思います。

 東京五輪は、世界の一流選手ばかりなので、市民マラソン大会みたいに「ドクターランナー」は必要ないかもしれません。しかし、現在の東京は、地球温暖化が進み、熱中症や熱射病の危険性があります。それは、選手だけでなく応援している観客もその危険性があります。特に観客には、高齢者や子供たちもたくさんいますし、中には体調が悪い方もいるかもしれません。また、地方から東京に来ている人もたくさんいると思います。旅先では、体調を崩しやすくなります。そこで、観客の健康と安全を守るため、応援席を自由自在に走り、みんなの健康をサポートする「走る看護師」になりたいと思います。私が考える「走る看護師」のイメージは、野球場での売り子さんです。商品は販売しませんが、AEDなどの救急セットや熱中症対策の道具を持って、応援席を巡回します。

 東京五輪と同時に、パラリンピックも開催されます。パラリンピックは、障がい者が集まって競技を行う大会なので、そこでも、「走る看護師」としてできることがたくさんあると思います。障がい者は、競技場への移動や、トイレなど様ざまな場面で困難に直面しやすいと思います。そこで、自由自在に動くことができ、看護の知識もある「走る看護師」は、きめ細かいサポートができると思います。特に、パラリンピックの会場には、仲間を応援する障がい者もたくさんいると思います。応援している障がい者も安心できるように、「走る看護師」は観客席をくまなく巡回し、サポートします。

 東京五輪でみんなのサポートをしたいと書いてきましたが、今、私はまだ、看護の知識も技術もなにもありません。毎日の看護の勉強は、とても難しくて、くじけそうになります。何度もやめたいと思いました。また、部活動の陸上も成果がでず、やる気が薄れ、練習が嫌になったりする時があります。しかし、走って動けて体力だけは自信がある私を必要としてくれる人がきっといると信じています。そのために、高校生活5年間の間に、たくさん運動してたくさん勉強して、「走る看護師」を目指して頑張りたいと思います。


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