済美高等学校 3年

中 山  京 佳
 

私の父
 
 私の理想とする職業人は、父です。父は消防士をしています。今、父とは別居していますが月に2、3度会いに行っています。そのときに毎回話す内容が、父の仕事の話です。消防士のしんどさや辛さ、やりがい、ありがたさをたくさん話してくれます。

 父は、消防士になる前はIT企業で働いていました。そこでも仕事のやりがいは感じていましたが、父は幼い頃からの夢であった消防士になることを諦めきれず、仕事を辞めて公務員試験を受けることを決めました。4カ所の公務員試験を受け、一番最初に受かったところに行くことを決めて引っ越し、消防学校へ通うことになりました。そこでは父より年下の人が多く、自分より体力がある人がたくさんいたそうです。そんな中で何度も挫折し、以前働いていたとこに戻ろうと何度も考えたそうです。ですが、自分の長年の夢が叶うかもしれない、消防士になって人々を助けたいという一心で乗り越えました。

 長年の夢であった消防士になってからも、たくさん苦労はあるといいます。その中でも一番辛いのが人の死に目に立ち会わなければならないことでした。火事で人が亡くなるとその家族などに責められることもあるそうです。ですが、自分の命をかけてでも人々を救いたい、その気持ちは日に日に強まっていったそうです。

 東日本大震災があった時、私もよくお世話になった父の後輩が、被災地へレスキュー隊として派遣されることになりました。父は言葉にはしていませんでしたがとても心配していたと思います。その後輩が被災地へ出発したあと、「代われるものなら代わってやりたい」と言っていました。その時父は通信指令課というところに所属していたため、レスキュー隊には入れませんでした。しかしその時私は、もし自分が住んでいる地域に地震が来たときには父も仕事へ向かって人々を助けなければならない、家へはなかなか帰ってこれないのだと思い、何とも言えない気持ちになりました。

 父に、消防士になってよかった?と聞くと迷わず、俺は消防士になると決めて親の反対も押し切ってまで夢を叶えられてよかったと言います。今の仕事には誇りを持ち、自分の体力が尽きるまで仕事をしたいし、定年で退職しても消防団に入団して人々を助けたいと言います。それを聞いて私は、自分の仕事に誇りを持って全力で取り組み、人のために行動できる父をすごく尊敬すると共に、自分ももうすぐ就職するので父のように、誇りを持てる仕事を見つけられたらいいなと思いました。

 人のために、自分のために、家族のために、自分からすすんで行動ができ、自分の仕事に誇りを持てる父を尊敬しながら自分もその父を追い抜けるようにこれからの生活を改めたいと思います。自分に合った就職先を見つけられるように、企業見学やインターンシップにも行き、きちんと準備をして就職試験に挑みたいと思います。

 私は父を尊敬し、憧れると共に、私にとって誰よりも自慢の父だと思っています。父のような人になり、自分を成長させたいと思います。


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