愛知県立半田農業高等学校 3年

山 本  瑞 貴
 

農業で地方を豊かに
 
 僕が将来やりたいと考えている職業、それは農業です。しかし、農業といえど畜産や稲作など、幅広い分野があります。僕はその幅広い農業分野を仕事内容とする会社を設立したいと考えています。

 僕の住んでいる愛知県は、あまり知られていませんが、実は農業が盛んな県です。トヨタ自動車など工業系の影に隠れていますが、特に花卉類や野菜類の農業産出額が全国上位クラスとなっています。名古屋コーチンなど全国的に有名なものもあり、他県にも負けていません。僕は農業高校の食品科学科に所属しています。そのため、農業の分野だけでなく、加工の分野も合わせて行うことで、地域の活性化を目指し、農業のテーマパークのような場所を創れたら、と考えています。

 具体的にやりたい事として、僕は3つの事を考えています。まず1つ目が、農業高校出身の就職の場を増やすということです。今は、農業高校でも農業関係の職業に就く人は少なくなっています。サービス業や工業に進む人の方が圧倒的に多く、学習した内容をまったく活かすことができない人もいます。農業技術を身につけている人は貴重であり、関係のない職業に就くのは宝の持ち腐れとなってしまいます。新期就農者の指導や会社の運営する農場の管理など、農業高校ならではの知識・技術を活かすことで、もっと活躍の場を創れると考えています。

 2つ目として、貧しい方への支援です。野菜栽培や食品加工では必ず廃棄食材が発生します。廃棄食材だけど実際は食べられるものなので、貧困家庭への支援をしている団体と協力して活動できるのではないかと考えています。また、失業者・フリーター・出所者への支援も考えていて、衣食住を会社が確保して、仕事の提供を行い、継続して仕事を行える環境やサポート体制を創りたいと思います。

 3つ目として、大規模農業の展開を考えています。一部の農家では自動化・機械化を取り入れていて、ある企業では人工栽培に着手している所もあります。利点として経験や技術がそんなに必要ではないこと、従来の農業のイメージだった力仕事を減らせ、女性や高齢者でも仕事が行えること、収穫量を多くすることなどができます。収穫量が多ければ食品加工に活用でき、収益の増加が見込めるようになります。

 僕は食品加工の中でも醸造について意欲的に学習しています。愛知県は昔から醸造が盛んな県で、白醤油やたまり醤油、八丁味噌、酢が有名です。これらや日本酒を原料から栽培し、加工できるようにしたいです。また、加工現場の見学や体験活動を推進し、サービス業も取り入れたいと考えています。

 しかし、僕のやりたい事は、現実性がありません。いわゆる机上の空論というものです。ではどうするか。僕はある大学の農学部に進学して、現在学習している事よりもさらに専門的な事を学習し、知識・技術を身に付けたいと考えています。卒業後も、食品加工の会社に就職し、技術を学んだり、資金を貯め、活動していきたいと思っています。

 僕の住んでいる地域や周辺の地域は若者離れや少子高齢化が進んでいます。だからこそ僕の能力や働きで地域に活力を与えたいと思っています。考えている事はまだ机上の空論だし、実現に向かおうとしても前途多難です。でも、いつか叶えたいことです。まずは自分の知識や技術を増やし、取り入れられる全てを自分の能力にし、将来のために活動していきたいです。


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