横浜市立ろう特別支援学校高等部 2年

平 賀  梨 里 穂
 


 
 私はダンサーになりたい。韓国のアイドルグループのステージを見たことをきっかけに夢を持ち始めた。韓国のアイドルグループは私の憧れの存在だ。

 私がダンスに興味を持ち始めたのは小学生のときだった。でもそのときはステージに立ちたいという夢はなかった。私が高校1年生になったとき、ある韓国のアイドルグループのビデオを見たことをきっかけに夢を持ち始めた。ドボイズというアイドルグループの「No,Air」という曲だ。動画を見ている途中にセンターに立つ彼に惹かれた。彼の踊りはとてもキレがあり、力強いパフォーマンスをしても一切疲れ顔を見せず、たくさんの表情を見せとても頭に残った。私はたくさんのアイドルの踊りを見てきたが、彼の踊りは初めて見る輝きを持っていた。

 私は彼に興味を持ち始めた。私は彼の踊りが好きすぎて毎日、動画を見ていた。色々な曲を踊りきる彼は本当に輝いていて、私も彼のようなダンサーになりたいと思った。

 しかし、私は大きな壁の前で止まってしまう。それは「聴覚障害」を持っていることだ。女優やインストラクターで聴覚障害の人がいるという話は聞いたことはあるが、世界で活躍する聴覚障害を持っているダンサーの話は聞いたこともなく見たこともなかった。

 私は耳が聞こえないが、人工内耳という機械を耳に付けて音を拾っている。だから、音楽や人の声を聞き取れる。周りの音が騒がしいときにリズムを聞き取れなくなった時もあるが、頭の中でカウントを数えながら踊っている。しかし、オーディションなどで受け入れてくれるのかが分からない。聴覚障害を持っているから無理と断られるかもしれない。踊れたとしても障害だからと断られるかもしれない。

 でも、私はダンサーになりたい。耳が聞こえないからとあきらめる弱い私ではない。聞こえなくても私はできることを見せたい。リズムが分からなくなっても戸惑わずに落ち着いてパフォーマンスをやりきることが一番驚くことだと思う。聞こえなくなると戸惑う人が多い。私もいきなり聞こえなくなってしまうと戸惑ってしまう。だから戸惑わずに落ち着いて周りを見ながらやりきることができるようにしなければいけない。たくさん発表会や大会に出場して私を知ってほしい。だから毎日練習を積み重ねて努力していきたい。

 夢を作る、語る、見ることは簡単なこと。しかし、実現することは難しい。実現するには行動をしなければいけない。私はダンススクールに通っている。大会だったり、発表会だったり、いろいろな行事がある。センターに立ちたいという気持ちはあるが、重要なのはそこではないと私は思う。私が思う重要なことは見に来てくれた方を楽しませることだ。様々な表情つくりをしながらダンスの楽しさを届けたい。そのためには毎日毎日練習を積み重ねて努力をしなければいけない。

 私は、ダンサーになりたい。耳が聴こえなくても私はなりたい。障害を持っていてもダンサーになれると世界に広めたい。いろいろな人にダンスの楽しさが伝えられるように頑張りたい。色々な経験を積み重ねて自分を美しく輝き、ステップを踏みながら夢を追いかけていきたい。


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