安城生活福祉高等専修学校 2年

小 原  綾 華
 

進め自分の道へ
 
 私の人生って何。自分らしさって何。そう思ったのは中学1年生の時だ。私は小学4年生からいじめられていた。何度も菌扱いされ、自分の身体のことをからかわれていた。先生は何度も私をいじめていた数名を叱ってくれていた。それでも何も変わらなかった。私の心は傷付いてしまい学校にも行けなくなっていた。そのような私が将来保育士になりたいと思わせてくれたのは、2人の先生のおかげだ。

 私にとって大きな経験がある。それは生まれつきの病気だ。私が生まれたのがとても早く身体にも影響があると言われたと同時に、口蓋裂が分かった。今でも生活していると色々うまくいかないこともある。何度も手術をしたため、身体に痕がついていたり、管を喉に通していたため菌が喉につきやすくなってしまい、微熱を出して学校を欠席することも多かった。何度も入院していた。だからこそ病気やいじめなどで悩みを抱えている子どもたちの気持ちが理解できると思った。

 その夢を前に進めてくれた、2人の先生がいる。言語訓練の先生と中学3年生の時の担任の先生だ。言語訓練の先生に私の発音の相談をした。「私の話が聞きにくいんだって。先生上手にお話したい。」と私が話したら「いいよ。練習しよう」と言われた。「だけどね、これだけは知っていてね」とあることを教えてくれた。

 「自分の話し方は綾華ちゃんの個性であり、一人ひとり話し方が違っていていいんだよ。」これを教わった時、私は自分の発音の仕方について悩まなくなった。私にとって先生の言葉がなければ、今もずっと悩み続けていたと思う。

 2人目は中学の先生だ。私が今の学校にいるのもこの先生の言葉があったからだ。私は進路の事で悩んでいた。もういじめに遭いたくない。もうこんなにたくさんの人の中で孤立したくないと思い、初めは通信制高校を選んでいた。しかし、将来保育士になりたいことを知っていた先生は、「安城生活福祉高等専修学校はどう」と提案してくれた。新しい場所でやり直したいと自分でも思い入学をした。小学校、中学校とはまるで違い毎日がとっても楽しいと思えるようになった。あの時、先生が「迷わず、自分のやりたいと思うことをやれ。」と励ましてくれていなければ、私は何も変わらなかったと思う。そして自信を取り戻すことができた。

 今、努力していることがある。保育の勉強と自分らしくいることだ。保育の学びは毎日が初めてのことでついていくのがとても大変だ。ピアノを弾けるようになるために、どんなに忙しくても毎日10分は必ず練習をしている。授業ノートは自分なりにまとめて復習をしている。自分らしくいることは少しむずかしい。知らない間にストレスがたまらないように休みを取ったり、苦しくならないようにしている。そしてやっと、見つけることができた。笑顔、優しさ、思いやりの心。この3つが自分らしさだと思う。これからもこの3つを大切にしていきたい。

 これまでの経験は、決して無駄ではないと思う。その全てを忘れることもない。今は前を向いて努力していく。

 私には助けてくれた人、支えてくれた人がいるからだ。どうしようもなかった時に、手を差し伸べ、将来の道しるべを教えてくれた。だからこそ、保育士になって少しでも自分がこれだけ成長をしたのだよと見せてあげたい。これが私なりの恩返しだ。私が目指す保育士は、病気やいじめなどで悩んでいる子を救い支えてあげること。笑顔でいっぱいにすること。最終的には入院をしていて保育園に行けない子どもたちに行う、医療保育士になること。これが私の理想だ。そう簡単にいかないことは分かっている。長い時間がかかるかもしれない。しかし、私は絶対諦めない。私は必ず恩返しをする。その日までもう少し待っていてほしい。


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