沖縄県立具志川高等学校 1年

福 原  愛 心
 

私は絶対に夢を叶える
 
 「ドラベ症候群」。

 皆さんは、「ドラベ症候群」という難病を知っていますか?私のいとこの子どもはドラベ症候群という難病です。生後4か月の頃、入浴中に初めてけいれんが起こりました。何度もけいれんが続いたため、病院に入院してたくさんの検査を行い、「ドラベ症候群」という難病だということがわかりました。私たち家族は聞いたことのない病気だったため、すごく不安な気持ちで一杯でした。

 「ドラベ症候群」という難病は、乳児重症ミオクロニーてんかんとも呼ばれる、乳幼児期に発症する難治てんかんです。1歳未満で最初の発作が起こり、その後も発作を繰り返し、重責発作(てんかん発作が5分以上継続すること)となることも度々あります。体温の上昇や光、ある種の模様などによって発作が誘発されます。特に入浴中や入浴後、発作を繰り返すことが多いです。また、ナトリウムチャネルの遺伝子異常が原因と言われており、4万人に1人の稀な病気です。

 いとこの子どもはドラベ症候群の症状により、けいれんを誘発するリスクが高くなるため、太陽の光を見たり、水に触れたり、大きな音を聞いたりすることなどが制限されています。そして、同級生よりも言葉の発達が遅く、声を出すことは出来ますが、上手に喋ることが出来ません。私は、言葉が少しずつ話せるようになってほしいと思い、一緒にいる時は、たくさん話しかけたり、絵本の読み聞かせをします。

 私はいとこの子どもとたくさん関わっていくうちに、難病や病気などにより言葉を上手く話すことが出来ない人もいることに気付きました。そして、将来、言葉を上手く話すことが出来ない人たちの力になれるような仕事をしたいと思うようになりました。私は将来、「言語聴覚士」という仕事に就きたいと思っています。

 「言語聴覚士」という仕事は、話すことや食べること、聞くことなどで、障がいや悩みを抱えている人へのケアを行います。また、発声の仕方を教えること、食べ物の飲み込み方を指導・訓練すること、補聴器の調整なども言語聴覚士の役割です。歩く、食べる、座るなどの日常生活で基本となる身体機能のリハビリテーションなども行います。

 「話す」「聞く」「食べる」という行動は、生活をしていく上でとても大切な役割ですが、病気などにより困難な状態にいる患者もいます。そのような患者の気持ちに寄り添い、伝え合うための手段を示して、患者の生きる喜びを取り戻す手助けが出来ることが言語聴覚士の一番の魅力だと私は思います。

 患者の生きる喜び取り戻す手助けのほか、患者の社会復帰へのサポート、患者の変化(成長)を一緒に喜びあえること、患者一人ひとりにむきあえること、言語聴覚士はたくさんの魅力が詰まった素敵な仕事だと思います。

 私は、難病や病気などにより当たり前に出来ていたことが出来なくなってしまい、苦しみや悩み、辛い思いを抱えている患者一人ひとりに優しく寄り添い、生きる希望を取り戻せるように、諦めないことの大切さを伝えられるような言語聴覚士になることが将来の夢です。

 私の人生はまだ始まったばかり。これからたくさんの楽しいことや辛いこと、大きな壁にぶつかったり、色々なことがあると思います。でも、その時その時を大切にして、「言語聴覚士」という夢を叶えられるように、一歩一歩自分の足で前進します。絶対に「言語聴覚士」という夢を叶えたいと思います。

 そして、私の大切な家族、いとこの子どもとも楽しく話しあえたり、一緒に笑いあえる日がきますように。


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