近年、若者の失業率や離職率は高水準のまま推移し、またフリーターやニートも一向に減少する傾向が見られず、深刻な社会問題となっている。この問題を放置しておくと、日本の経済活動を停滞させるだけでなく、社会不安を誘発し、年金などにも大きな影響を与えるものと危惧されている。また若者達にとっても、積極的に自分の人生設計を描くことができないということは、誠に不幸なことといわざるを得ない。教育基本法の改正案にも明記されているように、若者たちの職業観や勤労観の健全な育成は、すべての学校教育における喫緊の課題といえる。
しかし、今日のあらゆる段階における学校教育の現状は、上級学校に進学することそのものが目的とされており、将来の「職業」や「仕事」を視野に入れた上での進学を軽視する風潮が見受けられる。そこで、高校生や高等専修学校生に「職業」や「仕事」について考える機会と発表の場を提供する「私のしごと」作文コンクール等の事業を通して、若者たちの職業観、勤労観の健全な育成を図ることを目的とする。
一方、IT社会の進展、少子高齢化、価値観の多様化などにより、社会人キャリアアップ教育の重要性が指摘されている。またリストラや配置転換などによる中高年齢者の能力再開発、子育て等で離職した女性の再就職支援、さらにいわゆる団塊の世代における大量退職者の教育プログラム開発など、社会の変化に対応したキャリアアップ教育の推進事業も喫緊の課題とされている。
これらの問題に対応するため、職業教育をキーワードとする専修学校と連携し、能力再開発を必要とするこれら中高年齢者及び団塊の世代、そして再就職を希望する女性たちに対し、再チャレンジのための「情報と学びの場」を提供することによって、活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。
以上、これらの目的を達成するため、特定非営利活動法人の法人格を取得し、法に定められた法人運営や情報公開を行うことにより、確固たる組織の基盤を構築し、社会的信用を得るために特定非営利活動法人「仕事への架け橋」を設立する。
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