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東日本大震災情報
「つながろう!! 陸山高田To高田馬場」
「被災地から学ぶバスツアー」実施


 東日本大震災から2年が経過しました。2年前の3・11直後は地域や職場、そして学校はもちろんのこと、世界各国からも東北に向けて支援の輪が広がっていました。しかし、わずか2年を経て、今では大震災が地域や職場で話題になることが少なくなり、風化することが懸念されています。

 そこでNPO法人仕事への架け橋(一條仁英理事長)と専門学校新聞社(西島芳男代表取締役)は共催で、高校生や高等専修学校生を対象に「被災地から学ぶバスツアー」を3月24、25の両日に実施しました。団員(生徒)27人、NPO法人職員や看護師、添乗員などの引率者10人が向かったのは岩手県の陸前高田市です。

 主催者の事務所が新宿区高田馬場に所在していることから合言葉は「つながろう!!陸前高田To高田馬場」です。ツアーに必要な経費は、『大震災 日本列島が揺れた〜高校生・高等専修学校生75人の記録〜』(小峰書店発行)の出版を記念して昨年の10月に東京で開かれた「3・11/被災地早期復興祈念の夕べ」の会費収入と本の印税で賄われました。

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 一行は24日の22時半に高田馬場を出発、首都高速・東北自動車道を利用して25日の早朝、気仙沼に着きました。ここで団員の目に留まったのは津波で陸に上がった第十八共徳丸の巨大な船体でした。陸前高田市の一本松の語り部として知られる實吉義正さんの話によると、津波を忘れないために船体を保存しようという動きがある一方で、「つらい記憶を思い出す」という声に漁船の解体も検討されているということです。

 陸前高田市では、まず7万本の高田松原からたった一本生き残った「奇跡の一本松」(現在はレプリカ)を訪れ、實吉さんから大震災や津波の生々しい話を聞きました。その後、一行は津波で破壊された高田松原道の駅を訪れ、同じ敷地内にある追悼施設の慰霊碑で1分間の黙とうを捧げ、代表4人が花を手向けました。またかつて陸前高田市の行政や商店が集中し、今は瓦礫も片づけられて更地となっているところでバスを降り、津波の破壊力の凄さに驚いた様子でした。

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 一行は、仮設の市庁舎に戸羽太市長を表敬訪問しました。亀井尊団長、本橋りの生徒代表が一行を代表してあいさつしたあと、佐谷肇副団長が寄贈品の目録を市長に手渡しました。戸羽市長は歓迎のあいさつの中で復旧・復興の現状について説明、「土地の所有者がたくさん亡くなられて地権者が増えたために、復興事業は遅々として進展していない」と話されました。更地となった海岸沿い一帯はメモリアルパークになる予定で、地権者に高台移転をお願いしています。

 このあと一行は、横田コミュニティーセンターに移動。横田小仮設住宅の空き地にもとはし農場より寄贈されたパンジーを植えました。団員は3班に分かれて昼食の準備、交流会の会場設営、上向き地蔵制作などに取り組み、地元の食材を使った料理に舌鼓を打ったあと、午後1時半ごろから交流会が開かれました。

 まず亀井団長、本橋生徒代表があいさつ、これを受けて山口蔦吉横田小学校仮設住宅自治会長が歓迎のあいさつを述べたあと、震災の様子や仮設住宅の暮らしぶりなどを話し、団員は熱心に耳を傾けていました。また交流会では大震災の本の中から文化学院の生徒が3編の作品を朗読、参加者全員が「ふるさと」や「花は咲く」を合唱してつながり、絆を強くしていきました。

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 参加した千葉経済大学附属高校2年の染谷かりんさんは「このバスツアーで私が見た事実を“伝えなければならない”のではなく、自分の言葉で伝えていきたい」と話していました。またおもてなしの料理で団員を歓迎してくれた特別養護老人ホーム高寿会の管理栄養士・菅原由紀枝さんは「遠い陸前高田市に来ていただいてありがとう。生徒さんが陸前高田で感じたことをどこかに残していただければ、本当にうれしいです」と団員に感謝していました。

 ガイド役の實吉さんから後日、「横田仮設の知人や調理を担当した友人から団員の真摯な姿勢に感動した、という言葉をいただきました。皆様からの温かい支援や励ましの言葉を心の糧として前に向かって歩んで参ります」というメッセージが、NPO法人仕事への架け橋に届きました。


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