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進路指導の課題と実践
(3/30) 2・専門学校進学者の現状

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ボタン02 専門学校進学者の現状

 専門学校へ進学する生徒は2004(平成16)年をピークに減少に転じましたが、近年は増加傾向がみられます。文部科学省がまとめた『学校基本調査』をもとに高校生の進路状況をみておきます。それによれば、2011(平成23)年当時、大学進学率は47.6%、短大は5.8%、専門学校は16.2%、就職は16.3%であったのが、10年後の2020年には、大学は51.0%、短大は4.3%、専門学校は16.9%、就職は17.4%となっています。大学が大幅に増加する一方、短大は年々減少しています。就職は一時減少傾向がありましたが、ここ数年は増加傾向にあります。専門学校は2004年の19.2%をピークに減少転じ、2009年には14.7%まで減少しましたが、近年は横ばいから増加傾向がみられます。しかし、その一方で、大学・短大等の卒業生が専門学校へ入学するケースも少なくなく、毎年、入学生全体の5%前後を占めるようになっています。

 専門学校が高等教育機関として定着している要因は何なのか。そこには、いくつかの社会的背景が考えられます。

 今日、社会が高度化・複雑化し、専門的な知識や技術・技能を身につけた人材が求められてきています。こうした社会状況の中で、企業の側では、中堅企業を中心に、専門的知識や技術を持ち、短期の企業内教育ですむ人材、もしくは即戦力としての人材を専門学校に求めるようになったこと、また、専門学校の側でも、業界のニーズに対応した職業教育、中堅技術者養成を行ってきたことがあります。専門学校卒業生の社会的評価が高まり、専門学校が実務的な知識や能力・技術を身につけることができる職業教育機関として定着してきていることも見逃せません。 大学・短大等の卒業生が専門学校に入学するのも、医療、社会福祉分野が多いように、国家資格の取得や実践的な知識や技術の習得を求めていることが、その背景にあると言えます。また、高校生の進路意識も多様化してきており、専門的な知識や技術が身につき、資格が取得でき、就職先の展望がある専門学校に進学を希望する生徒、いいかえれば実学志向の生徒が増えてきていることもあげられます。明確な目的意識を持った生徒の中には、大学に進学できる学力があっても、積極的に専門学校進学を目指す生徒も少なくありません。

 それでは、高校生はどのような動機・理由で専門学校へ進学しているのでしょうか。

 専門学校進学を希望する生徒は、希望職種への就職実現に必要な実践的な技能や知識を身につけたり、看護・医療系や保育・福祉系などの職業資格を取得するために専門学校進学を選択するケースが多くなっていますが、近年は将来発展が見込まれるAI・IT系など情報技術の習得を目指す生徒や、動物系や声優・音楽系など自分の興味や関心から進学するケースも増えています。このことは、文部省(現・文部科学省)の『平成9年度専修学校に関する実態調査』の在学者調査からもうかがうことができます。それによれば、専門学校を選択した理由として最も多いのは「実践的な職業能力を身につけられる」の28.6%、次いで「興味や関心があった」の28.0%、「公的資格が得られる」の14.2%の順になっています。また、東京都専修学校各種学校協会と広島大学高等教育研究開発センターが共同で実施した専門学校卒業生に対する調査(小方直幸編『専門学校教育と卒業生のキャリア』高等教育研究叢書103、2009年)によれば、卒業した専門学校への進学を決めた理由としては、「学びたい分野があった」(76.1%)、「就職に有利だと思った」(57.7%)、「資格・検定の合格実績がよかった」(38.1%)をあげています。

 専門学校進学を目指す生徒の意識や動機の変化などにも注意を払いながら指導にあたっていくことが大切になっています。


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