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進路指導の課題と実践
(23/30) 12・生徒への全体指導

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(2) 専門学校説明会の開催

 専門学校の教職員による説明会は、各学校の情報・資料を入手する機会として、疑問点などを積極的に質問するように指導するならば、生徒にとって参考になると思います。

 専門学校への進学者が多い高校では、校内で専門学校説明会を実施する場合が多くなっていますが、その多くは業者に依頼して開催しています。都高進の「専門学校への進路指導に関するアンケート結果」によれば、「専門学校希望者に対するガイダンス」を実施している高校は、106校中84校(79%)で、そのうち「業者に依頼」しているのは49校、「学校独自」で実施しているのは35校となっています(前掲『東京都高等学校進路指導協議会紀要』第46集、2011年)。

 東京などの大都市圏内の高校の場合には、できるだけ業者(代理店)に依頼せず、高校側で独自に計画を立てて実施するのが望ましいと思います。専門学校側は多額の参加料を業者(代理店)に支払って参加してきており、そうした費用負担を専門学校側にかける必要がなくなるだけでなく、ガイダンスも専門学校側の宣伝が中心になってしまう弊害もさけられます。かりに業者(代理店)に依頼する場合でも、生徒の立場に立って参加校を選定しているかどうかを判断して依頼するようにしてください。また、業者(代理店)に依頼する説明会では、一般に、専門学校の特色や学校選択のポイント、心構えなどを解説する全体会と、専門学校の教職員が分野ごとの説明を行う分科会とで構成されていますが、参加校の選定や全体会については、できるかぎり高校側が主導権をもち実施するのが望ましいと思います。そして、将来的には、高校独自で開催できるように、専門学校に対する調査・研究を進めておくことが大切です。

 専門学校説明会を学校独自で開催する場合には、進路希望調査をもとに、生徒が希望している分野から各1校ずつ、全体で15〜20校を選び、講師の派遣を専門学校に依頼します。学校の選定にあたっては、@卒業生が進学している実績があり、追跡調査その他によりある程度実態がつかめている、A生徒の通学距離等も適当である、B生徒の進学希望度が高い、などを基準に選びます。

 説明会では事前に、専門学校側に対して、その分野の学科の授業内容や取得資格、業界の現状や将来性、就職状況、進学にあたっての心構えなどを説明し、たんなる自校の宣伝に終わらないように依頼し、また、1週間の時間割や卒業生就職先一覧などの資料を持参するように要請します。生徒に対しては、学校案内書などの資料を入手し、専門学校の教職員に直接疑問点などを質問できるよい機会でもあるので、あらかじめ質問項目などを考えさせておき、積極的に参加するように指導するとよいでしょう。

 なお、近年は、キャリア教育の一環として、専門学校の模擬授業を業者(代理店)に依頼して実施している高校も増えていますが、その前提として、職業研究や学科研究などの進路学習が行われている必要があります。高校によっては、そうした事前の学習もないまま、単発的に模擬授業を実施しているケースがみられますが、これでは生徒の進路意識を深めるうえでは問題があります。計画的・継続的に進路学習を進めてほしいと考えます。


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